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マリハ(静大情報学部博士課程)への日本語教授

去年の6月の大学構内にある佐鳴会館でのハートリンガルのイベントで、その当時インドに帰国中のラジャセカラン(静大のナノマテリアルの博士研究員卒業後)に対し、彼の就職活動中に引き続きオンラインで日本語を教授していました。

イベントのリモート中継で出演中のラジャセカランを見て、イベント終了後に、見学者の中から「日本語を教えてください」と、申し出てきたのがバングラデシュ人のマリハでした。
ヒシャブを被った小柄な女の子でした。まだ、博士課程の1年生なので、まだ就職までにはあと2年間の猶予がありました。

 当初、佐鳴会館の小部屋をお借りして、日本語教授を始めました。
ラジャセカランにしたように、木曜日の午後1時から4時まで続けました。
テキストはN5から始め、N4を超特急でマスターし、N3,N2と進めるつもりでした。
しかし、N4のテキストを始めてからのこと、博士研究員は超ハードの様で忙しく、度々遅れて来たり、またよく急にお休みしたりしていました。
ドタキャンが多かったので、一度彼女とじっくりお話をしてみました。

「あの時貴女から日本語を教えて欲しいとお願いされたので、一生懸命に教えて来たけど、もし私の教え方が悪いとか、解かりにくいとかなら、やり方を変えるし、何でも言って欲しい」と、告げました。しかし、彼女はそうではなく研究が忙しく時間が無いだけだというので、私はやり方を変えてみました。

ラジャセカランの様にひたすら時間をかけてテキストを勉強するのをやめました。
もっと、自由に日本の文化や日常生活に根差した会話から始めようと思い、オンサイトでなく、オンラインで大学が終わった夕方の寮で寛いでいる彼女と日本語の日常会話を始めました。それも無理のない1時間以内で済ませました。
 
すると、研究で忙しい中、日本の文化及び生活について、まるで日本のお母さんの様に語らえると感じたのか、明るく楽しそうにオンサイトに現れるようになりました。
二人の会話の中から興味を持つ一つ一つ言葉を覚えていきました。
正に生きた日本語の様に。
  
この様な感じで、しばらくは続けて行こうかと思っています。
                                 ハートリンガル
                                 代表 西野惠子